日常生活に溶け込むクルマ。新型アクアいよいよ登場です。

新型アクアアイキャッチ コラム

新型アクアが2021年7月19日に発表されました。

お店に到着した出来立てホヤホヤの新型アクアをレビューします。

10年ぶりのモデルチェンジ

今回のアクアは10年ぶりのモデルチェンジとなります。

初代のアクアはハイブリッドカーをより身近な存在に変えてくれたクルマでした。

「アクア」という名前は「水」を表していますけど、まさしく「水」のように私たちの生活に寄り添う存在としてハイブリットカーを浸透させてくれた存在が「アクア」だったのです。

電気を動力に使うのに充電する必要はなく、これまでのクルマ同様ガソリンスタンドでガソリンを給油すれば走行できる日常の使い勝手の面。

新技術につきものの想定外の不具合が全くないという製品に対する信頼性の面。

そして少しだけ車両価格に投資すれば、圧倒的な低燃費によって確かなリターンが約束されるという経済的な側面。

ガソリンエンジンから電気モーターへシフトするという、車にとっての革新的な変化を微差に変え「水」のごとく私たちの生活に浸透させた車がアクアでした。

新しいアクアの登場はこれまで以上に微差に感じられることだろうと思います。

「たいした変わらないはずだ」

というのがアクア10年ぶりのモデルチェンジに対する皆様の大方の見方でしょう。

かくいう私の感想もそうでした。

ハンドルを握るまでは。

実際に走ってみると、これまでのアクアとの走行感の違いに驚かされました。

明らかに「別種」のクルマに感じられたのです。

言葉での形容が難しいのですがスーというスムーズな走行感はまさしく「水」が高きところから低きところに流れるがごとしです。

ハイブリッドカーはガソリンエンジンと電動モーターを「組み合わせた」車ですが、これまでのハイブリッドカーに比べ明らかに電気モーターの関与の割合が大きいのです。

バイポーラルニッケル水素電池という高出力なバッテリーの採用が寄与しているのですが、難しい説明はさておいてともかくハンドルを握っていただきたいです。

自動車の電動化という、歴史上の大変革を「微差」に感じさせる。

「アクア」はここでも「アクア」だったのです。

愛着の湧く親しみやすいデザイン

「変り映えしない」

そう揶揄されることを恐れずアクアのデザインはキープコンセプトをつらぬいたデザインだと思います。

「アクア」という車はトレンドを追いかける車ではないので私はこれでよかったと感じています。

ぱっと見はあまり新鮮さを感じさせないデザインなのですが、細部を見ると曲線を複雑に組み合わせていて随所にこだわりを感じさせるデザインでした。

生活に自然に溶け込むデザインで長く乗っても飽きの来ない車に仕上がったのではないでしょうか?

うっとりするような上質なインテリア

クラスを超えた高級感が漂うインパネ周り

ドアを開け室内に目を向けると、目の前にはうっとりするような上質な空間が広がっていました。

私は先行して発売されたヤリスに乗っているのですが、価格差以上の上質感がありました。

2BOXのコンパクトハッチバックという同じカテゴリーに属されるアクアとヤリスですがインテリアの仕上がりの違いをみると両者がはっきりと違う方向性のクルマであると認識することができました。

近年、車のダウンサイジング志向が強まっているのですが、プリウスやカローラなどの上級車から乗り換えられてもご満足いただける室内に仕上がっています。

ソフトパッドが高級感を際立たせている

特に上質感を感じさせたのがダッシュパネルに使われている素材でした。

指で押すとギューッと沈み込むソフトパッドが贅沢に使われていて「良いクルマに乗っているなー」という満足感を体感できる仕上がりです。

ヤリスの室内は硬質なプラスチックでまとめられているのでチープな印象が否めませんでした。

アクアのインテリアであればクラスを超えた高級な雰囲気が漂っていますので不満を感じる方はいないはずです。

ステアリングはヤリスと共通

ハンドルはヤリスと共通のデザインのものを使用していました。

ボタンの配置も全く同じです。

操作ボタンが多いので慣れるまでは大変ですが、必要な機能が集約されていますので一度慣れてしまえば便利にご使用いただけると思います。

軽快な操作感のシフトノブ

シフトノブ周りもピアノブラックの艶のあるパネルで構成されていて高級感が漂っています。

先代のアクアはゲート式のシフトノブでしたが、新型のアクアはプリウスなどで採用されているエレクトロシフトマチックです。

操作量が少ないのが特徴でおにぎりを食べながらでも操作ができます。

新型アクアには自動で車庫入れをしてくれるパーキングアシスト機能がオプション設定されていますが、ササっと操作できるエレクトロシフトマチックとの組み合わせは相性抜群です。

家族から不満の出ない後席スペース

後席の足元は十分なレッグスペースが確保されています。

新型アクアの室内はファミリー層のファーストカーとして十分なスペースを有していて、ご家族の笑顔が浮かぶクルマだと感じました。

我が家には中学一年生の息子がおりますが、ヤリスの狭い後席に不満を漏らすようになってきました。前席を優先しドライバーファーストのヤリスと後席のスペースに配慮されたアクアという色分けで対照的な設計になっていると思います。

外部給電機能は全車標準装備

新型アクアでは外部給電機能が全車標準となりました。

センターコンソールの後端部分に1500Wの大電量コンセントが配置されています。

蓋を開けると家電製品に電気を供給できるコンセントが出てきます。

記憶に新しいのが2018年9月に発生した北海道胆振東部地震です。

地震による停電で不便な生活を強いられることとなりました。

そんなときでもこのコンセントがあれば様々な用途で活躍してくるはずです。

1500Wの大容量なのでその気になれば洗濯機や電子レンジを動かすこともできます。

災害時には不謹慎かもしれませんがホットプレートに通電して焼肉をすることもできるはずです。

ひとたび災害が起きれば人々の生活に暗い影を落とすことになりますが、外部給電機能を備えたアクアがあればきっとそんな暗い気持に明るく灯をともしてくれる頼もしい存在になってくれるはずです。

生活にスーッとなじむ水のような存在

新型アクアに触れてみて感じるのが日常生活との親和性です。

生活とは切っても切り離せない「水」。

蛇口をひねれば当たり前に供給されるのでその存在の重要性に私たちはあまりに無自覚です。

自然災害などで供給が断たれればいかに普段の暮らしが「水」に依存していたかを思い知ることになります。

クルマは日常と非日常の二面性をもった持ったモノです。

移動の手段として生活に欠かせない存在としての面と、肉体だけでは生み出せないスピードを味わったり、社会における成功の証としてその人のステイタスを表現する非日常の面があります。

新型アクアはその中でも、とりわけ人々の生活にどうやって溶け込むかに軸足を置いたクルマだと感じました。

先進テクノロジー満載の未来に一番近い車でありながら、そのことを忘れてしまうくらいに控えめなアクアのたたずまいにきっと魅了されるはずです。

トヨタのショールームにお越しいただければご試乗もいただけると思います。

是非一度ご体験ください。

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